座標系の回転

ここでは、座標系の回転を扱います。 ここで扱う回転は、親座標系の座標軸を基準としたものです。 自身の座標軸を基準とした回転については、次の「座標系の自転」で扱います。

- 目次 -

座標系の回転

座標軸まわりの回転

親座標系の座標軸まわりの回転を行うには、 rotCoordinateX、rotCoordinateY、rotCoordinateZ 関数を使用します。

- 関数仕様 -

void rotCoordinateX ( int coordID, float angle )
void rotCoordinateY ( int coordID, float angle )
void rotCoordinateZ ( int coordID, float angle )

3つの関数がありますが、それぞれX、Y、Z方向の回転を扱います。

最初の引数coordIDでは、設定対象の座標系のIDを指定します。 続く引数angleでは、軸まわりの回転角度を指定します。 回転角度は、座標軸の向きに右ネジを進める向きを正とします。 また、角度の単位にはラジアンを使用します。

任意方向ベクトルまわりの回転

回転軸を、親座標系から見た任意の方向ベクトルとするには、 rotCoordinate関数を使用します。

- 関数仕様 -

void rotCoordinate (
  int coordID,
  float angle,
  float vx, float vy, float vz
)

最初の引数coordIDでは、設定対象の座標系のIDを指定します。 続く引数angleでは、軸まわりの回転角度を指定します。 残りの引数vx、vy、vzでは、回転軸のベクトル成分を指定します。

回転角度は、座標軸の向きに右ネジを進める向きを正とします。 また、角度の単位にはラジアンを使用します。

任意の原点と方向を持つベクトルまわりの回転

回転軸を、 親座標系から見た任意の原点・方向を持つベクトルとするには、 roCoordinate関数の引数を増やして使用します。

- 関数仕様 -

void rotCoordinate (
  int coordID,
  float angle,
  float vx, float vy, float vz,
  float px, float py, float pz
)

最初の引数coordIDでは、設定対象の座標系のIDを指定します。 次の引数angleでは、軸まわりの回転角度を指定します。 続く引数vx、vy、vzでは、回転軸の方向成分を指定します。 残りの引数px、py、pzでは、回転軸の原点成分を指定します。

回転角度は、 座標軸の向きに右ネジを進める向きを正とします。 また、角度の単位にはラジアンを使用します。

プログラム例

実際にローカル座標系をワールド座標系の上に配置し、 45度 = π/4ラジアンだけ回転させてみましょう。 区別しやすくするために、 ローカル座標系には小さめの座標軸モデルを、 ワールド座標系には大きめの座標軸モデルを配置します。 また、次で扱う自転との違いを分かりやすくするため、 最初にローカル座標系をX方向に少し移動させてから回転させます。 以下のように記述し、実行してみてください。

Sample.vcssl

このプログラムを実行すると、黒い画面に座標軸モデルが表示されます。 座標軸モデルは大きいものがワールド座標系の上に、 小さいものがローカル座標系の上に配置されています。 ローカル座標系は、親座標系のX軸の方向へ1.0だけ移動してから、 親座標系のZ軸まわりに45度だけ回転した状態となっています。

実行結果、回転された座標系の図
実行結果
大きな座標軸と小さな座標軸が表示される。小さな座標系は、大きな座標系のZ軸まわりに回転した位置にある。