RINEARNのソフトウェア向けにOpenJDKで生成したJava実行環境(JRE)の提供を開始

RINEARNでは、Java(R)のリリースモデル変更への対応として、OpenJDKのjlinkツールを用いて、 RINEARNのソフトウェア実行用に生成したJava実行環境(JRE)の提供を開始しました。 今回は、その詳細と、今後の方針について解説します。
米国 Oracle 社により既に発表されていた通り(参考)、 Java言語の開発環境であるJDKは、少し前のバージョンよりリリースモデルを段階的に移行し、JDK 11において従来とは異なる新しいリリースモデルに以降が完了しています。
旧来は、無償・有償の利用は共に Oracle 社よりリリースされている同じJDKを使用するのが主流でした。 一方で新リリースモデルでは、無償利用はオープンソースの OpenJDK へと移行するのが基本となっています。
OpenJDK は、基本的には Oracle 社によって有償でリリースされるJDKとほぼ同じ機能が見込めるため(サポート期間の長短や有償サポートの有無などの違いはありますが)、 少なくともRINEARNでのソフトウェア開発においては、この変更は全く問題になっていません。 既に各ソフトウェアの次回のリリース版より、OpenJDK 11 を用いてビルドしたものへと移行する予定です。
一方で、RINEARNのものも含めて、Java製のソフトウェアをご使用のユーザーの方々にとって関係するのは、 JDKよりもむしろ、Javaの実行環境(JRE)に関する件だと思います。 JREは例えば、従来はJavaの公式サイトの https://www.java.com/ja/download/ のページなどからダウンロードされていた、 Java製のソフトウェアを実行するために必要になるソフトウェアの事です。
JREはJDKにも含まれているものの、単純にJava製のソフトウェアを使用するだけであれば開発用のツールなどは不要であるため、上記サイトなどからJREを単体で入手していたユーザーの方が恐らく大多数であると思います。 このようなJRE、いわゆるパブリックJREについては、Java 11 以降では(少なくとも現時点では)存在しないようです。 現在配布されているパブリックJREは Java 8 のものですが、JDK 8 は商用利用に対しての公式アップデートが既に2019年1月で終了し、個人利用に対しても2020年の12月までとされています。 それにあわせて、こちらの Oracle 社によるページ(「新たなアプリケーション配布方法の提案」の項目)では、 Java製ソフトウェア(アプリケーション)の開発・配布側が、Java 9 以降のJDKに付属する機能( jlink )を用いて、各ソフトウェアにあわせたJREを生成し、個別にバンドルするなどの方法が提案されています。
そこでRINEARNにおいても、基本的には上記の提案された方針を踏襲し、OpenJDKの jlink ツールによってRINEARNのソフトウェアにあわせて生成したJREの提供を、 こちらのページにおいて開始いたしました。 ただし、サイズや更新などについて検討した結果として、少なくとも現時点では(RINEARNのソフトウェアにあわせて生成した)JRE単体での提供から開始し、 今後は各ソフトウェアからそのJREをダウンロード・更新する機能をサポートする事を検討していく方針です。
使用方法やドキュメントなどについては、追って整備する方針です。
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