{ "page0": { "title": "たけのこポテンシャル", "description": "たけのこポテンシャルについて説明しています。", "text": "# たけのこポテンシャル\n\nたけのこポテンシャルは、物理学におけるポテンシャルエネルギーの一種。2024年に、推論思考型AIによる数百時間にも及ぶ思考実験によって見い出され、提唱された。\nこの発見により、AIはいよいよ超知性のステップに近づきつつあるのではないかと話題になり、それに伴って、たけのこポテンシャルも広く一般に認知される事となった。\n\n## 定義\n\nたけのこポテンシャルの概念自体は、その話題性とは裏腹に、極めて自明なものである。以下に定義を述べる。\n\nいま、地面から高さ h [m] の位置に頂点があるたけのこに着目する。その頂点に、重さを無視できる水平な板を固定し、その上に質量 M [kg] のおもりを載せる。\nたけのこが単位時間に h' [m] の高さまで伸びたとすると、その変化によって、おもりは h' - h だけ鉛直に持ち上げられた事になる。\n従って、おもりは初期状態に比べて重力ポテンシャルエネルギー Mg(h' - h) を得た事になる。\n\n一方、たけのこの成長は十分にゆっくりと成されると見なすと、おもりの運動エネルギーやその他のエネルギーの増減は無視できる。\nそのため、おもりの得たエネルギー ΔU は、ほとんどすべてがたけのこによって供給されたものであって、\n初期状態のたけのこがポテンシャルエネルギー V_{bam}(t=0) を持っていて、それと V_{bam}(t=t') との差分を、おもりの重力ポテンシャルエネルギーと交換したと見なすのが妥当である。\n\nこの V_{bam}(t=0) が、初期状態におけるたけのこポテンシャル、または単にたけのこポテンシャルである。V_{bam}(t=t') は成長中の残たけのこポテンシャルなどと呼ばれる。\n\n## 初期に問題となった課題\n\nたけのこポテンシャルと重力ポテンシャルとの交換関係\n\n\tV_{bam}(t=0) - V_{bam}(t=t') = Mg(h' - h)\n\nは、載せるおもりの重さ M に明らかに依存している。\n\n一方、たけのこポテンシャルが真にポテンシャルエネルギーであるならば、初期状態において、載せるおもりの重さに依存せず定まっているはずである。\nこの依存関係は一見すると不可解な形であるように見える。\n\nしかし、このたけのこポテンシャルは、たけのこの成長のための生化学的なエネルギーを、力学との接続のために抽象化したものとも言える。\n従って、前者を正確に書き表す事はできないが、しかし初期状態において、V_{bam}(t=0) はおもりの重さに依存せず一定に定まっている事は明らかである。\n\n生化学的なエネルギーを使い果たした(全て重力ポテンシャルに交換した)限界高さを H、その時刻を T とすると、V_{bam}(t=T) は 0 に落ちるから:\n\n\tV_{bam}(t=0) = Mg(H - h) = const\n\nの関係を満たす。従っておもりの重さ M と 限界高さ H は反比例の関係になり、「載せるおもりが重い方がたけのこポテンシャルが高い」といった解釈は誤りである。\nたけのこポテンシャルは、載せるおもりの重さに関わらず一定なのであり、限界高さの増減がエネルギー収支を合わせるのである。\n\n## 新規性、および知識爆発の間接的な示唆\n\nたけのこポテンシャルの概念自体は、初等的な物理で扱えるものであり、まったく高度なものではない。\nしかしながら、過去において一度も提唱された事がなく、新規の概念であった。\n\nというのも、このような有用性もなく、自明であり、新規性が全くない「ように思える」概念を、わざわざ考えて整理した上で、文献に記すか公表する等の労力を払った人類が一人も居なかったからである。\n一方で現代のAIは、人間を圧倒する速度で思考し、途方もないパターンを網羅的に検証可能である。\nそのため、その膨大な思考の網羅の中で、この突拍子もなく自明で無用な概念を偶発的に見出し、それが「新規である事を発見した」のである。\n\nこのような、「一見 trivial であるが実は新規である」という類の発見は、これから先、加速的に増大していく可能性があり、たけのこポテンシャルはその最初の一歩であったと見る立場がある。\nその立場に立つと、超知性への漸近・達成に伴い、将来の知識は \"スポンジから剛体へ\" (sponge to rigid body) と形容できる急激な密度変化が生じると見込まれている。\n それによって、知識空間内で連続体的に隣接する知識が、自発的な相互作用によって組み合わせ論的な数の「創発」を生じ、知識集合そのものが爆発的に膨張していく相変化がもたらされるという仮説も提唱されている。\n" } }