ステップ 6 - 別のソフトウェア内に組み込んで使う
ここでは、より発展的な内容として、RINPn が搭載している処理エンジンを、自作のアプリに組み込んでみましょう!
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RINPn が使用している計算&スクリプト処理エンジンである「 Vnanoエンジン 」は、Java® 言語で記述した別のソフトウェア内に組み込んで使う事ができます。 開発元は RINPn と同じで、組み込み方や使い方も意外と簡単なので、ここで実際に試してみましょう!
サンプルコード
Vnanoエンジンを用いて、RINPn と同じようなエンジン設定で式「 1.2 + 3.4 」の値を計算する単純なサンプルコードが、 RINPn のフォルダ直下に「 EmbedUseExample.java 」として同梱されています:
import javax.script.ScriptException;
import java.util.Map;
import java.util.HashMap;
public class EmbedUseExample {
public static void main(String[] args) {
////////// Vnano エンジンの準備 ここから //////////
// RINPn で計算に用いているスクリプトエンジン(Vnanoエンジン)を取得
ScriptEngine engine = new ScriptEngineManager.getEngineByName("vnano");
if (engine == null) {
System.err.println("スクリプトエンジンが見つかりません");
return;
}
// Vnano エンジンのオプション設定(詳細は Settings.txt 内の説明参照)
Map
optionMap.put("EVAL_INT_LITERAL_AS_FLOAT", true);
optionMap.put("EVAL_ONLY_FLOAT", true);
optionMap.put("EVAL_ONLY_EXPRESSION", true);
optionMap.put("UI_MODE", "CUI"); // CUIベースソフト用
// optionMap.put("UI_MODE", "GUI"); // GUIベースのソフト用
optionMap.put("ACCELERATOR_ENABLED", true);
optionMap.put("ACCELERATOR_OPTIMIZATION_LEVEL", 0);
engine.put("___VNANO_OPTION_MAP", optionMap); // エンジンに登録
// パーミッション機能に対応したプラグインに通知するパーミッション設定
Map
permissionMap.put("DEFAULT", "ASK"); // ユーザーに尋ねる挙動をデフォルト化
// permissionMap.put("DEFAULT", "DENY"); // デフォルトを拒否挙動にしたい場合
// (ここで個別に設定したい許可項目を追加設定 / 例は以下)
// permissionMap.put("FILE_READ", "ALLOW");
engine.put("___VNANO_PERMISSION_MAP", permissionMap); // エンジンに登録
// ライブラリ/プラグインの読み込み設定
engine.put("___VNANO_LIBRARY_LIST_FILE", "lib/VnanoLibraryList.txt");
engine.put("___VNANO_PLUGIN_LIST_FILE", "plugin/VnanoPluginList.txt");
////////// Vnano エンジンの準備 ここまで //////////
// Vnano エンジンで「 1.2 + 3.4 」の値を計算して表示
try{
String input = "1.2 + 3.4";
double x = (double) engine.eval(input + ";");
System.out.println("Vnano エンジンの出力値: " + x);
} catch (ScriptException e) {
e.printStackTrace();
}
// ライブラリ/プラグインの解放/接続解除(ソフトウェアの終了前などに行います)
engine.put("___VNANO_COMMAND", "REMOVE_LIBRARY");
engine.put("___VNANO_COMMAND", "REMOVE_PLUGIN");
}
}
コンパイル・実行方法
上記のサンプルコードのコンパイル方法は、下記の通りです:
コンパイルに成功すると、「 EmbedUseExample.class 」が生成されます。 これを、Vnano エンジンのJarファイル「 Vnano.jar (RINPnのフォルダ内に既に存在) 」をクラスパスに指定しつつ実行します:
java -cp ".:Vnano.jar" EmbedUseExample (Linux® やその他の環境をご使用の場合)
(結果) スクリプトエンジンの出力値: 4.6
この通り、計算式「 1.2 + 3.4 」の値「 4.6 」を Vnano エンジンで求める事ができました。 式の中でライブラリ/プラグインの関数を呼んだり、式の代わりに Vnano で記述したスクリプトのコードを渡す事もできます。
Vnanoエンジンのライセンス、その他詳しい情報など
RINPn 同様に、VnanoエンジンもMITライセンスのオープンソースソフトウェアで、商用・非商用問わず無償で利用できます。
その他、より詳しい情報や、ガイド・仕様書などのドキュメント類などについては、 下記 Vnano エンジンの公式サイトで整備されていますので、ご参照ください。
- Vnano 公式サイト(日本語版)
- https://www.vcssl.org/ja-jp/vnano/
- Vnano 公式サイト(英語版)
- https://www.vcssl.org/en-us/vnano/
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