[ 前へ | 目次 | 次へ ]

数式のグラフ描画

リニアングラフ 3D では、データファイルからだけではなく、数式からグラフを描画する事もできます。 これを数式プロットと呼びます。 ここでは、この数式プロットの方法を解説します。

数式プロットツール

数式プロットで使用するツールは、リニアングラフで標準サポートしているプログラミング言語VCSSL ( 詳しくは「VCSSLによる制御・自動処理」の回 参照 )で開発されており、 グラフ画面上部の「 プログラム(プログラム) 」メニューから選んで起動できます。

数式の形に応じて、複数のツールがあります。これらは単体でも公開しているもので、Web ページ上で詳しい使用方法も解説しています。 一覧と概要は以下の通りです。

z(x,y)形式の 3D グラフ描画

z(x,y)形式の数式を、3D の曲面/メッシュグラフとして描画します。

起動後、入力画面の「 z(x,y) =」の欄に数式を入力して「 プロット 」ボタンを押すと、その数式が 3D グラフとして描画されます。範囲やプロット密度なども指定可能です。

» 詳細解説ページへ

z(x,y,t)形式の 3D グラフ描画

z(x,y,t)形式の数式を、3D の曲面/メッシュグラフとしてアニメーション描画します。

起動後、入力画面の「 z(x,y,t) = 」の欄に数式を入力して「 プロット 」ボタンを押すと、その数式が3Dグラフとして描画され、「 t 」を時刻変数としてアニメーション表示されます。範囲やプロット密度なども指定可能です。

» 詳細解説ページへ

x(t),y(t),z(t)形式の 3D グラフ描画

x(t),y(t),z(t)形式の数式を、t を媒介変数として 3D グラフにアニメーションします。

起動後、入力画面の「 x(t) = 」、「 y(t) = 」および「 z(t) = 」の欄に数式を入力して「 プロット 」ボタンを押すと、その数式が「 t 」を媒介変数として 3D グラフに描画されます。そこで「 アニメーション 」ボタンを押すと、グラフを始点から終点へ徐々に描いていくように、アニメーション再生されます。

» 詳細解説ページへ

旧バージョンの数式プロットツール

必要に応じて、グラフ画面上部の「 ツール 」 > 「 (旧)数式プロット 」メニューから、リニアングラフが VCSSL をサポートする前から搭載されていた、 旧バージョンの数式プロットツールも使用できます。 そのツールでは z(x,y) 形式のグラフしか描けず、また数式内の x と y を < > で囲って <x> と <y> のように書かなければいけませんが、 昔からご使用されている方を想定して、今も使用可能な状態になっています。

この旧ツールでは、log 関数が自然対数の ln ではなく常用対数の log10 と同じになっている事に注意が必要です(新しいツールでは log10 と同じです)。

数式の書き方と関数一覧

各数式プロットツールでは、入力画面の「 z(x,y) = 」などの数式欄に、基本的には普通の書き方で数式を入力してください。

数式の例

数式は、以下の例のように記述します:

z = x + y をプロットしたい場合

x + y

z = x^2 + y^2 をプロットしたい場合

pow(x,2) + pow(y,2)

または

x * x + y * y

z = sin(2x) + cos(3y) をプロットしたい場合

sin(2 * x) + cos(3 * y)

四則演算の順序

上の例でも出てきた通り、かけ算には「 * 」記号を使います。割り算は「 / 」記号です。 かけ算・割り算は、足し算・引き算よりも先に計算されます。 足し算・引き算を先に計算したい場合は、その部分を、例えば「 ( y + 2 ) * 3 」のようにかっこ ( ) で囲ってください。

数学関数

数式内では、上の例で出てきた「sin(2 * x)」のように、一般的な数学関数を使用できます。 サポートされている関数の例は以下の通りです:

sqrt( )
二乗根、ルート
exp( )
指数関数
log10( )
10を底とした対数関数
※「ツール」メニューの旧版の数式プロットツールでは、単に log とした場合も log10 と同等となります。しかし、「プログラム」メニューの新しい数式プロットツールでは(VCSSLの仕様に従うため)、logはlnと同等となります。これに起因する混乱を避けるため、現在では単なる log は使わず、log10 と ln の使い分けが推奨されます。
ln( )
自然数を底とした対数関数
abs( )
絶対値
fac( )
階乗演算
※「ツール」メニューの旧版の数式プロットツールでは、 !( ) を使用して下さい。
pow( )
指数演算
※ 使い方は2の3乗なら pow(2,3)、-2の-3乗なら pow(-2,-3) など。
※「ツール」メニューの旧版の数式プロットツールでは、 2^3 のように「^」と記述して下さい
sin( )
サイン/三角関数
cos( )
コサイン/三角関数
tan( )
タンジェント/三角関数
asin( )
アークサイン/逆三角関数
acos( )
アークコサイン/逆三角関数
atan( )
アークタンジェント/逆三角関数

その他にも様々な数学関数が利用できます。一覧と詳細は、VCSSLの Math ライブラリの仕様書 をご参照ください。



スポンサーリンク



この階層の目次
新しいお知らせ

アシスタントAI作成の舞台裏(その1、基礎知識編)
2024-10-07 - アシスタントAI作成方法解説の前編です。今回はまず、アシスタントAIを作る前に抑えておきたい、基礎知識を延々と解説しています。そもそもLLM型AIとはどんな存在か? RAGとは何か? 等々です。

ソフトの利用をサポートしてくれるアシスタントAIを提供開始!
2024-09-20 - RINEARN製ソフトの使い方の質問応答や、一部作業のお手伝いをしてくれる、アシスタントAIを提供開始しました。ChatGPTアカウントさえあれば、誰でも無料で使用できます。使い方を解説します。

Exevalator 2.1 をリリース、新たに Visual Basic に対応
2024-07-28 - オープンソースの式計算ライブラリ「Exevalator(エグゼバレータ)」の2.1をリリースしました。今回から、新たに Visual Basic(VB.NET)でも使用できるようになりました。詳細を解説します。

関数電卓 RINPn(りんぷん)、Esc キーで計算式の一発クリアが可能に
2024-07-20 - 関数電 RINPn の Ver.1.0.2 をリリースしました。今回から、キーボードの「 Esc 」キーを押すと、入力中の計算式を一発でクリアできるようになりました。詳細を解説します。

Exevalator 2.0 をリリース、互換性に注意が必要なバグ修正が 1 件
2024-07-14 - オープンソースの式計算ライブラリ「Exevalator (エグゼバレータ)」の2.0をリリースしました。今回の更新では、互換性に注意を要する 1 件のバグ修正があります。詳細を解説します。

各ソフトウェアをアップデート、リニアングラフのコマンド拡張やVCSSLの英語対応など
2024-02-05 - 各ソフトの一斉アップデートの内容をお知らせします。今回は、リニアングラフのコマンド機能を大幅拡張したのがメインです。また、VCSSLのメッセージ類の英語対応も行いました。

Vnano の Ver.1.1 で実装した反復計算高速化の内側
2024-01-17 - 前回のお知らせ記事の続編です。スクリプトエンジン Vnano の Ver.1.1 において実施した高速化を、エンジン内部の実装面から掘り下げて解説します。

スクリプトエンジン Vnano の Ver.1.1 を公開、同じ内容の反復実行が劇的に高速化
2023-12-22 - スクリプトエンジン Vnano の最新版を公開しました。同じ計算式やスクリプトを反復実行する速さが、大幅に向上しました。次期版リニアングラフ3D内での活用例を交えつつ、詳しく解説します。